FNC、MMAコンテンツ制作の完全なコントロールのために中継車を構築

消費者向け直接放送とイベント制作のコントロールにFNCが新しい4K中継車を使用。

東京、日本 - 2025年10月7日 (火) - Fight Nation Championship(FNC)は、急速に南東ヨーロッパを代表する総合格闘技(MMA)団体へと成長している。FNCは地域の新進気鋭の才能に重点を置き、クロアチア、スロベニア、セルビアの主要アリーナでイベントを主催している。各試合は消費者向け直接放送を行っているプラットフォームであるFNC.tvで配信されており、VoyoとCME Mediaを介したRTL 2でも放送が行われている。

創造的かつ商業的なコントロールを拡大する長期戦略の一環として、FNCはベオグラードにおけるFNC 23で新しい中継車を初めて使用し、今後FNC 24での使用も予定している。中継車は、Blackmagic Designのテクノロジーを中心に構築されたエンド・トゥ・エンドの制作プラットフォームだ。

「弊社の最優先事項は、会場の観客と自宅の視聴者の両方に可能な限り最高の体験を提供することです」と語るのはFNCの最高技術責任者兼制作主任のマーティン・チェフリッチ(Martin Čehulić)氏。「それが今回の設備投資につながりました。」

この中継車は、4Kでの社内制作用に構築された移動式コントロールルームと言える。入出力の能力を評価されて採用されたATEM 4 M/E Constellation 4Kライブプロダクションスイッチャーを中心に10Gイーサネットネットワークがセットアップされ、同社の中継車において欠かせない存在となっている。

「もし最初から中継車を借り、専用のスタッフを雇っていたら、スポーツとして成長する上で、経済的に持続可能ではなかったでしょう」と同氏は説明する。「この設備投資により、プロ仕様のツールを使用できると同時に、機動性が保てます。」

イベントでは、固定ショット用とケージ周辺におけるハンドヘルドでの撮影用に、Canonの4.3広角レンズと望遠レンズを取り付けたBlackmagic URSA Broadcast G2カメラを基に構成されたカメラシステムが配置されている。リモートコントロールとシェーディングは、車内に設置された2台のATEM Camera Control Panelで行われている。「これがなければ、本格的なイベントを開催することは不可能です」と同氏は語る。「すべてのカメラで一貫したカラー、露出、バランスが必要です。」

カメラのフィードはすべて、HyperDeck Studio 4K Pro放送デッキで個別収録され、直接Blackmagic Cloud Store Mini 16TBネットワークストレージに書き込まれる。また、即納用やハイライトのパッケージの作成を行うために、Blackmagic Replayにも送信されている。DaVinci Resolve Replay Editorコントロールパネルを使用して、試合の展開に合わせてタグ付けをしたり、リプレイのカット割りを行っている。

「フッテージはBlackmagic Cloud Store Miniに直接収録されているので、ハイライトやSNS用のクリップを作成するために、グローイングファイルに瞬時にアクセスできます」と同氏は続ける。「試合が半分終わった頃には、すでに最高のテイクダウン動画が編集されて、オンライン上にアップロードされていることもあります。」

ルーティングとインジェストには、Blackmagic Videohub 40x40 12Gルーター、SmartScope Duo 4Kモニター、DeckLinkとUltraStudioキャプチャー・再生デバイスが使用されている。「以前は、現場にケース入りの機材を持ち込んで、すべてを毎回構築していました」と同氏は続ける。「現在は、車で乗り入れてファイバーを配線すれば準備完了です。」

中継車の電源システムには、UPSによるバックアップ付きの63Aの三相電源と、コントロールルームとサーバーラック専用の冷却ユニットが含まれている。冗長性を得るために、2台のATEM Constellationスイッチャーが同時に起動され、スターリンクへの接続も含む、複数のインターネット接続が確立され、放送における安定性を確保している。

「課題は常に存在します。イベントの制作は世界で最もストレスの多い業界の一つです」と同氏は説明する。「しかし、このシステムでは、すべてが上手く機能します。」

FNCのハイブリッド放送と消費者向け直接放送は、全体的な変化を反映している。それは、コンテンツの所有者と権利保有者が、放送と配信の両方において、より高いコントロールを求めるようになってきているという風潮だ。「消費者向け直接放送は、将来的に大きく成長すると思います」と同氏は語る。「コンテンツがどのように制作され、どこで視聴され、視聴者とどのようにつながるかについて、完全なコントロールが得られます。これは、成長にあたって欠かせません。」

将来的に、FNCは、書き出しまでの作業を迅速化し、クリエイティブ面におけるコントロールを改善し、新しい市場に拡大するために、拡張可能なシステムへの設備投資を今後も行っていく予定だ。

「Blackmagic Designのシステムに統合したことで、すべてが簡素化しました。統一されたシステムを使用することで、互換性の問題や運用の遅延を最小限に抑えられます」と同氏は締めくくった。

フォト

URSA Broadcast G2、ATEM 4 M/E Constellation 4K、ATEM Camera Control Panel、DaVinci Resolve Replay Editor、HyperDeck Studio 4K Pro、Blackmagic Videohub 40x40 12G、SmartScope Duo 4K、Blackmagic Cloud Store Mini 16TBおよび他のBlackmagic Design製品の写真はこちら www.blackmagicdesign.com/jp/media/images

会社概要

Blackmagic Designは、映画、ポストプロダクション、放送業界に向けて世界最先端のビデオ編集製品、デジタルフィルムカメラ、カラーコレクター、ビデオコンバーター、ビデオモニタリング、ルーター、ライブプロダクションスイッチャー、ディスクレコーダー、波形モニター、リアルタイム・フィルムスキャナーを開発している。Blackmagic DesignのDeckLinkキャプチャーカードは、その品質と価格で放送業界に革命をもたらした。また、エミー™賞を受賞したDaVinciカラーコレクションシステムは、1984年以降、テレビ、映画業界の中心となっている。Blackmagic Designは、現在も6G-SDI、12G-SDI製品、ステレオスコピック3D、Ultra HDワークフローなどの独創的な革新を続けている。世界をリードするポストプロダクションエディターやエンジニアにより設立されたBlackmagic Designは、現在アメリカ合衆国、イギリス、日本、シンガポール、そしてオーストラリアにオフィスを構えている。詳細はwww.blackmagicdesign.com/jp